きなこの旅行blog

海外旅行備忘録

ウィーンの透析センター

今回は海外旅行中の透析についてです。

 

昨年、親の透析が始まり週に3回は病院へ通っています。

国内であれば透析センターや病院の紹介で受け入れ先に連絡をするだけなのですが海外で透析を受けようとすると、エージェントを通して書類の提出、受け入れ先の決定、保険の加入など手間も費用もかかります。(国によっても医療費等の費用がかなり変わるようなので要確認です)

でも準備さえしっかりすれば透析患者の方も普通に海外旅行に行けます。

準備期間は1か月くらいで大丈夫だと思います。

医療制度が整っていて、利便性も良く治安もいい、1週間くらい滞在しても退屈はしない。そんな場所を選んだ結果が今回はウィーンでした。

 

透析の手配に関しては私自身が全く関わっていないのでいないので詳しい手順等はお知らせできませんが、どんな環境で透析を行っているかをこちらに残しておきます。

 

Wiener Dialysezentrum

処置室(患者さん消してるので布団が不自然です)

今回お世話になったのは郊外にある透析センターです。

ウィーンでは日程はすぐに決まったものの、時間が決まるのがかなりぎりぎりでした。

早くて1週間前だそうです。

ちなみに午前の希望を出したら7時病院入りになりました。

ホテルからタクシーで30分ほどという案内を受けましたが、距離で換算すると片道1万円を超える上に有料道路を使うらしく透析1回につき往復3万円の交通費・・・

時間はかかりますが72時間チケットを購入しているので電車で向かいます。

3月のウィーンの6時前はさすがにまだ暗かったです。寒いし。

 

透析センターについたら2階へ向かうように指示を受けていたのでそのまま処置室へ向かうことになりました。

自動ドアを入るとスタッフの方がすぐに声をかけてくれました。

名前の確認と体重の確認をしたらベッドに案内されます。

ここの透析センターは1部屋4人の病院のような作りです。

スタッフ、ドクター共に英語対応できる方がついてくれます。

私は通訳として処置室まで同行しましたが、ほかの患者さんたちは各々ベッドで横になって処置の順番を待っていました。

ベッドの角度調整は各自で自由です。

車いすの方はレスキュー隊っぽい方々が送迎しているようです。

エレベーターホールにベストを着ている人が多数。

介護送迎の専門なのかわかりませんが制度がしっかりしているのだと感心しました。

 

透析が始まって4時間私は暇です。

時間はまだ午前8時前。とりあえずホテルまで戻ることにしました。

まだ人も多くないウィーンの街並みを眺めながらゆっくりと。

ホテルに戻ったころに透析センターから連絡が入りました。

 

機械を回す量(引く水の量)を増やしたほうがいいと思うがどうか?

とのドクターからの電話でしたが私には何のことやら。

日本でも処置室に立ち入ったことがありません。どんな機械を使用しているのか、どんな処置をしているのか何もしらない透析ど素人です。

話を聞いていて理解しました。

 

例えば体重が3キロ増えていたら

日本では「750(ml)で(機械を4時間)回します」となります。

これがウィーンでは「3ℓ回します」となります。

1時間単位ではなく総量で機械操作するのだということがわかりました。

 

その仕組みがわかっていなくて1時間単位の量を技師の方に伝えてしまい、かなり少ない量で機械を回していたようです。

その量を増やしてもいいかの確認がドクターからきました。

勉強になりました。

 

2回目の透析は終わった後に血液検査に少し異常が出ました。

検査結果を見せてもらいながら説明を受けるのですが判断できません。

ドクターが日本の病院に確認をとりたいと言うのですが時差があります。

日本時間午後8時過ぎ。連絡がとれる時間ではありません。

身体に特に異常がないこと。検査の数値は国によって基準値が違うこと。それらを考慮してそのまま処置の完了となりましたが、細かく数値まで見て問題があればその場で確認をとった上で対処するという対応でした。

日本でも結果に異常があれば帰れないようなので同じですね。安心です。

 

ドクターに保険の書類に記入をお願いして受け取った後、1階の事務局で支払いを行いました。

あとは帰国してから保険会社(エージェント)に書類、支払明細書等を提出して後日支払った金額の一部が戻る。というのが流れです。

 

ウィーンは透析を受ける場所の候補が2か所あったのですべての施設が同じではありませんが、今回お世話になった透析センターの様子はこんな感じです。